尾道丸遭難事故からの教訓 (再現ドラマを見る 放映)
昭和56(1980)年元日、海難史に残る救出劇があった。 房総半島野島崎沖2000kmで、大型貨物船「尾道丸」が三角波と 呼ばれる謎の大波に襲われ、船首が折れた。船は沈没の危機に陥 った。 野島崎沖は、アメリカから日本への最短航路。過去18隻の大型 貨物船が遭難していた。「魔の海域」と呼ばれていた。 SOSを聞いたのは、チリから鉄鉱石を運搬し、近くを航行中 の貨物船「だんぴあ丸」。船長の尾崎哲夫は、シケの海で進路変 更の決断をし、現場に向かう。 尾崎は、「海の仲間を見殺しにできない」と、決断した。 10mを越える波に流され衝突の危機。真冬の海、落ちれば助から ない。そして、遭難の現実に尾道丸乗組員たちの精神的ダメージ も大きかった。 だんぴあ丸船長尾崎には、気がかりなことがあった。 尾道丸船長・北浜のことだった。 「一人の犠牲者も出したくない」。 だんぴあ丸乗組員24人は、万全の体制で救助に備える。 真冬の海に落とさない救助方法を考えた。 しかし、突然、風が吹いた。 救命イカダが波間に消えた。 男たちの運命は…… 嵐の中、決死の救出劇に挑んだ船乗りたちのドラマである。
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