坂の上の雲 のこと | ||
日本騎兵を育成し、中国大陸でロシアのコサック騎兵と死闘をくりひろげた 秋山好古。東郷平八郎の参謀として作戦を立案し、日本海海戦でバルチック艦 隊を破った秋山真之。病床で筆をとり続け、近代俳諧の基礎を築いた正岡子規。 この3人を中心に、維新を経て近代国家の仲間入りをしたばかりの「明治日 本」と、その明治という時代を生きた男たちの生涯を描いた司馬遼太郎の歴史 小説。 1968年(昭和43年)から1972年(昭和47年)までの約4年間、産経新聞夕刊に 連載された。そして今回、2009年11月22日から3年間、NHKでスペシャルドラマ 「坂の上の雲」が放映される。 | ||
松山出身の歌人・正岡子規が香川照之、そして、1904年の日露戦争を勝利に導 いた中心人物とされる軍人・秋山好古に阿部寛、弟の秋山真之に本木雅弘をあて て、この3人を軸に明治維新後の日本を描いたとする司馬遼太郎・著「坂の上の 雲」をTVドラマ化したものである。 | ||
クラブの皆さんにはぜひ日本海海戦、帝国海軍とロシアのバルチック艦隊との 戦いを詳しく味わっていただきたい。出来れば戦艦三笠あたりの大きさを実感し ていただきたい。また、この明治時代の船はバルパスバウ(球状船首)では無い。 大和とは全く船形が異なっている。佐渡汽船アイビスだって船首が飛び出ている のに…この時代の船首はスッパリと下に落ちている。まさにサバニ型船形ではな かろうか。 まだまだ、多くの海の話がある…が、それはドラマを見てのお楽しみとさせて いただこう。また、海戦について語れば語るほどに「お前は右か?」とか色々詮 索されるので、本意ではない。 興味のある方は様々な資料をご覧頂きたい。1つ面白い…と思うWeb があるの で、紹介したい。ここには3人の実際の写真もあるし、船の画像にもたどり着け る。 http://www.eonet.ne.jp/~kumonoue/ 司馬遼太郎の本をごらんになるのも良いだろう。ただし文庫本なら9冊に及ぶ。 あまりの長さに最近はインターネットで「あらすじだけを知りたいのです…大学 の論文に出るので、少しだけで良いです」とか若者の悩みがたくさん出ているそ うだ。そんな、こんなでここに紹介させていただいた。 | ||
蛇足であるが、かつて私は佐渡市立金井吉井小学校に勤務した。この学校の宝 物には度肝を抜かせられた。昭和天皇が皇太子だった頃に上の戦艦で真野湾から 上陸され、人力車で国中平野を横断、両津湾へ向かわれた。その佐渡の真ん中、 この学校で昼食を摂られたというのだ。その時に利用された備品が全部保管され ており、昔の吉井村の宝物となっているのである。 もちろん東郷平八郎の書なども納められている。吉井小学校はもうすぐ統合さ れ、なくなる。これらはいったい何処へ行くのだろう… 日本海海戦に興味のある方にお薦めなのは吉村昭の「海の史劇」である。 まるで史実だけを並べたような描写だ。文庫本1冊… (マーリー) |