GPSに地図をのせる方法(カシミール3Dをもとに)-- 戻る --
私家、荻島が表示されました 国土地理院は新たに2007年度から基盤地図情報を公開し、データをダウンロードできるようになりました。 この中には10m間隔等高線のデータも含まれているので、これまで有料でしか入手できなかったガーミンGPS用 の10m等高線入りマップソース互換地図を手作りすることが可能になりました。 また、最近のガーミンGPSのColorado、Dakota、Oregonシリーズではカスタムマップを載せることができるよう になっています。カスタムマップはグーグルアースのkmzファイルと同じ形式であり、カシミール3Dによって地形 図から作ることができます。カスタムマップは画像ファイルなので、英語版GPSでも地図は日本語になります。 ここでは、これらの地図の作り方について説明します。 1.地図をのせることができるGPS カスタムマップを載せることができるのはColorado、Dakota、Oregon、GPSMAP62および78シリーズのGPSです。 カスタムマップはファイルサイズが大きいので、内部メモリーが少ない(300MB以下)機種ではマイクロSDカード が必要になります。 マップソース互換地図(拡張子がimgのファイル)は内蔵メモリーがあるGPSに載せることができます。しかし、 内蔵メモリーが24MB程度では広域の精密な地図は無理で、一部の地域しか入りません。 ちなみに、eTrexシリーズなどでは後に「x」のつく機種がマイクロSDカードを使用できます。 2.カスタムマップの作り方 a) マップカッターでカシミール3Dの地形図を切り出す ガーミンのカスタムマップというのは、基本的には画像(ラスター)地図を使う方法です。使われている方式 はグーグルアースの使っている拡張子がkmzのファイルと同じです。 kmzファイルはkmlファイルをzip形式で圧縮したファイルで、kmlファイルの中身は、画像(jpeg)ファイルと位 置情報を含むファイルをまとめたものです。ですから、拡張子のkmzをzipに名前変更すると、解凍して中身のフ ァイルを取り出すことができます。 カシミール3DはGarmapCEに対応した地図切り出し、そしてバージョンが高くなったものはガーミンのカスタム マップにもいち早く対応しています。 地図の切り出しにはマップカッター プラグインが必要です。kmlファイルが作れるモノか調べ、新しいバージ ョンのものをパソコンにインストールしてください。 ここではカシミール3Dを使ったカスタムマップの作り方を説明しますが、ちょっとコンピュータの知識があれ ばいろいろな地図、例えば案内用地図などもカスタムマップとしてGPSに組み込むことができます。
選択範囲を決めます
領域リストでその範囲を指定します b) マップカッター画面 作り方はカシミール3DのHPで詳しく説明されていますが、いくつかの注意点を含めて述べます。最初に、地図を オンラインで表示しているときは、カスタムマップにしたい範囲を一度全部表示して、地図のダウンロードを完了 させておきます。そうしないと、できあがったときに空白の地図が含まれることがあります。 ここで地図の等高線を鮮明にするには、[表示]-[パレットの選択]で[マップカッター専用]か[冬山の色 分け]にします。さらに「地図画像パレット」を開き、「デフォルトの色を使用する」のチェックを外し、等高線 や背景の色をコントラストが高くなるように設定します。 次に地図を印刷するときにもするように、[編集]-[選択範囲を決める]をクリックします(緯度経度を指定す る方法もあり)。 地図画面をマウスでドラッグして選択範囲を決めます。地図の選択範囲は網掛けになります。 広い範囲を選択する場合には、地図を縮小し、選択範囲の端をマウスでつまんで広げる方法が楽です。選択した範 囲は[マップカッター]-[領域の選択と保存]で保存できます。地図を作り直すときに便利です。 あまり広い範囲を選択するとファイルサイズが大きくなりすぎ、GPSで地図の表示までにかかる時間が長くなる ので、適当な大きさにします。 範囲が決まったら、[ツール]-[マップカッター]-[切り出し]をクリックし、マップカッター画面になります。 ここではファイルの保存場所、ファイル名を入力し、[GARMIN/Google KMZ形式]を選択します。大きな地図は分割 する必要がありますが、最大で10x10までです。1枚の地図の画像サイズは左の窓に表示されますから、おおよそ10 00x1000 dot以内になるように分割数を決めます。JPEG品質は小さいほど圧縮率が高くなり、ファイル容量が小さ くなりますが、画像は粗くなります。また画像サイズが大きすぎると「読み込み出来ません」という表示が出ます。 (できあがったkmzファイルは、Google earthで「開く」と地図画像が完全であるかどうか確認できます。) 前にも書いたように、拡張子kmzをzipにして解凍し、jpeg画像ファイルを画像ビュアーで見る方法もあります。 C) GPSに地図を入れる カスタムマップをガーミンGPSに入れるには、マイクロSD(SD)カードに入れるのがよいでしょう。 カシミール3Dにも説明されているように、パソコンから直接コピーすることができます。すなわち、Oregonなどは パソコンとUSBケーブルで接続すると、マスストレージ接続になり、GPSの内蔵メモリーとマイクロSDカードはパソ コンの外付けHDDやUSBメモリーのように見えます。そこでマイクロSDカードにGarminというフォルダをつくり、 さらにその下にCustomMapsというフォルダをつくり、その中にkmzファイルをコピーします。コピーするkmzファイル は複数でもかまいません。本体メモリーに余裕があれば、本体のCustomMapsフォルダにコピーしてもかまいません。 * PCにGPSをUSB接続すると本体とマイクロSDカードの2つのドライブがパソコンで見えることになります。 本体のGarmin 以下のファイルは削除してしまうとGPSが動かなくなってしまうこともあります。十分注意しましょ う。
画像サイズと分割数を注意してKMZファイルを作ります。名前は勝手に付けます D) GPSを立ち上げる USBケーブルを外すときは、パソコンの「ハードウェアの安全な取り外し」機能を使ってください。 GPSの電源をオンしてもカスタムマップはすぐには表示されません。地図を拡大してゆくと、縮尺500mくらいから表 示されますが、英語版のベースマップは表示が粗いので、どこにあるかわからなくなることがあります。 緯度経度を表示するようにしておくと探すことができます。当然ながら、実際にカスタムマップの場所に行ってGPS の位置測定が終われば、地図が表示されます。カスタムマップの上にもトラックやウェイポイントは表示されます。 カスタムマップを1/25000地形図から作ると、拡大していったときに画像がボケてきます。1/6000地形図から作ると 鮮明になりますが、kmzファイルのサイズが大きくなり表示が遅くなります。鮮明な地図を希望するならば、実際に 使用する地域だけ、あまり広くない地域について1/6000地形図からカスタムマップをいくつもつくり、使用する度毎 に切り替えて使うことになるでしょう。 カスタムマップは地形図のコピーですから、当然ながら、すべての地図記号は表示されますし、カシミール3Dの地形 図が3D(MAT図)であれば、山の凹凸の陰影が表示されます。1/6000地形図からのカスタムマップならならば、 紙の1/25000地形図よりもはるかに鮮明で、詳細な地形を読みとることができます。 E) 使ってみての感想 英語版でもしっかりと日本語の入った地図が出るのは嬉しい。ここにある画像は私の家の位置とあわせて秋葉区の 地図(秋葉区と出ている)が出ています。ただ、地図の設定をノースアップからトラックアップに切り替えると、 画像文字が横になったり、斜めになるのは仕方無いことだと諦めなくてはなりません。 カシミール3Dのマップカットは切り出した地図に位置情報までしっかり入っているから、移動すると地図画像が 動くのが初めのうちは感動モノでした。 F) 様々なトラブル… 何度もマップを切り出して、自分で納得いくような切り出し方を見つけることが大切です。 縮尺の大きな地図を入れると、GPSの縮尺を変えて行くと段々とボケて来ますし、逆に詳しい地図を入れようとす るとファイルが大きくなりすぎてしまいます。 また、私のコロラド300はソフトのバージョンが古くて、最初は地図を表示できませんでした。せめて…とVer 3.10 にアップしてようやく動き始めたと言う訳です。 *(番外編)地図ソフト買いますか? ガーミンのGPS用地図(マイクロ)SDカードをコピーすることは簡単にできますが、これをGPSに指しても地図は表 示されません。カード内にあるIDと解除コードがしっかりと結びついており、これを書き換える事はとてつも無い 話になります。地図ソフトを購入される方はGPSも日本地図が表示出来る日本語版でなくてはなりません。 英語版GPSを購入された方で日本の地図を表示させたいならUUD社の地図を購入されるのも手ですが、お金を掛けず に日本語表示を…という大きな願いをもっておられる方はこのカシミール3Dからのマップカッターをお薦めいたし ます。カシミールはフリーソフト。地図もダウンロードが無料…では、頑張ってみるしか無いですよね。